星新一さんの『未来いそっぷ』はおとなイソップでした。
こんばんは。ハルサムママです。
皆さんは星新一さんの書いた『未来いそっぷ』という作品を読んだことがありますか?
星新一さんと言えば、ショートショートの神様として知られています。
最近、息子のハルサムが星新一さんの本を気に入りいろいろ読むようになりました。
ただ、星新一さんの作品は大人向けのものと子ども向けのものが混在しています。
小学3年生のハルサムには難しいお話もあるので、時間があるときは私が先に読んでハルサムに良さそうなお話を選んであげたりしています。
そうしているうちに私も懐かしさも手伝って星新一さんの作品すすんで読むようになりました。
今回私が読んだのが『未来いそっぷ』です。
この作品は1982年に発売されました。今から40年近く前の作品なのに全然古臭くなく、
この作品にはイソップ物語にあるお話の中の7つの作品を星新一さん風にアレンジした「いそっぷ村の繁栄」という作品の他、全部で33編のショートショートの作品が収められています。
この作品の面白いところはイソップ物語の舞台を現代に設定したところです。
現代を舞台にしたことで原作とは異なるストーリー展開を楽しめます。
イソップ物語の原作では教訓や道徳を物語の中に織り込んでいます。
しかし、本作はクスッと笑ってしまうような結末やブラックユーモアに溢れた展開が用意されています。要するに教育的観点というよりはエンターテイメント的な観点から楽しませてくれる作品と考えてもらうとわかりやすいと思います。
イソップ物語の中で有名な「北風と太陽」だと、原作では太陽が勝ちますが、『未来いそっぷ』で勝つのは北風です。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、この北風が勝つことになった理由がいかにも現代的なのです。
また、「ウサギとカメ」は原作同様カメが勝ちます。
ただ、カメの勝ち方がこれまた現代的なんです。
このカメの勝ち方がいかにも現代社会を風刺していて痛快で面白かったです。
この「ウサギとカメ」ならハルサムが読んでも楽しめるかしら?
この他にも「アリとキリギリス」や「オオカミがきた」などイソップ物語の代表作が全部で7話入っています。
この『未来いそっぷ』は「いそっぷ村の繁栄」以外にもシンデレラのその後を星新一さんらしく描いた「シンデレラ王妃の幸福な人生」など読み応えのある作品ばかりでした。
ショートショートの神様が描く人間(動物)模様を皆さんも楽しんでみてはいかがですか?